じっちゃまオススメ銘柄、ロケット・カンパニーズ(Rocket Companies, Inc.)についての解説です。
結論
- アメリカでは感染症の影響で、郊外への移住や低金利によるローン借り換え需要が大きく、住宅市場が活況である。
- ロケットカンパニーズは全米最大の住宅ローン会社である。
- 株価はIPO後公募割れをするなど振るわない状況で、9月決算予定だったが8月中旬にプレリリースした。好決算だった。
- 一方、IPO後一定期間、証券会社は対象銘柄の評価をしてはいけないルールがあり(クーリングオフピリオドという)、プレリリースした決算がまだ投資家に伝わっていない。
- 数日後クーリングオフピリオド明け後に証券会社が一斉に推奨銘柄に入れる可能性大なので、乗るならイマ。
ロケットカンパニーズ
ロケットカンパニーズは全米最大の住宅ローンの会社
宇宙ロケットとは全く関係なく、ロケットのように早く住宅ローンを組めますというイメージを持たせるマーケティングのための社名です。
創業者はダン・ギルバート氏。
ダン・ギルバートは始め、自分で住宅ローンの会社を作って、一時会計ソフト会社に売却した経緯があります。
ダン・ギルバートはその後、会計ソフト会社から買い戻して、Rocket mortgageというブランド名で再出発しました。
Rocket mortgageは消費者に認知度の高いブランドで、アメリカ最大の住宅ローン会社です。
ロケットカンパニーズのIPO
2020年最大級のIPOで注目されていましたが、苦戦を強いられています。
1億株を18ドルで売り出し、初日に公募割れしたが、幹事勢による買い支えですぐに公募価格を奪還して、8/20終値時点で現在23ドル台。
幹事は、ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、J.P.モルガン、バンクオブアメリカ、city、などなど。
注目度の高いIPOだったとうかがえます。
アメリカの住宅市場現況
アメリカの住宅ローンは非常に大きく、細分化された、ガリバー企業が存在しない市場です。
住宅ローン市場は10兆ドル。
ホームディポは既存店売上比較が前年比+23.4%、ホームディポのライバルであるローズ(LOV)の既存店売上比較は+34.2%と、いずれも好調でした。
今アメリカのひとは、自分の家をリフォームしてから売ろうとしています。
その理由は、新型コロナでニューヨークやサンフランシスコなど都会から人が抜け出しているのと、在宅勤務が進んで、住宅価格が安い地域、州税が安い地域への移住(リロケーション)ブームがきているからです。
今アメリカの大工は忙しく、全然捕まらない状態。住宅ブームがきています。
ロケットカンパニーズの成長余地
ロケットカンパニーズのRocket mortgageはアメリカ最大だが、それでも6.7%しかシェアがなく、アップサイドの余地は十分あります。
去年の実績では1450憶ドルの新規ローン獲得(オリジネーション)を行っています。
そして全米7380万人がRocket mortgageのサイトを訪れています。
住宅ローンは業者によってレートが違います。
ユーザーは少しでも有利なレートをwebで探します。
そこで認知度が高いと有利に働きます。
ロケットカンパニーズは、デジタルファースト、web・認知度・マーケティングで勝とうという戦略で、現時点では成功しているといえます。
ロケットカンパニーズは8/14に決算を繰り上げリリースをしました。
その内容は、第2四半期の新規ローン(オリジネーション)は、723憶ドル(前年同期比+126%)、売上高56憶(+437%)、純利益35億ドル。
足元の業績は超良好です。
IPOされてからクーリングオフピリオドが明けていないため、幹事はまだ推奨できていません。数日後に一斉に買い推奨されると予想されます。
住宅ローンの特徴
住宅ローンはコモディティで、どこがやっても同じです。
住宅ローン会社は2、3年すると、ローンをサービサー(お金回収業者)に転売します。
住宅ローンのオリジネーションは手間がかかります。
例えば、ローン審査、家の登記、物件査定、損害保険加入、設備不具合の検査などです。
Rocket mortgageは、一応webでドキュサインなどのソフトを使って何でもローコストできるようにしています。
個人でも不動産の売買が盛んで、現在アメリカの30年ローンの金利は3%程度と、アメリカにとってはとても低い金利です。
つまりローンの借り換え(リファイナンス)需要もある。が、リファイナンスの金利は3.8%程度と、新規に比べると高いです。
その理由は、新規を優先したいため、後回しにしています。
それほどアメリカの住宅事情は非常にホット。その中でロケットカンパニーズは一番大きいローン会社です。