イメージするリーダー像は内向型ではなく外向型だけど・・・
どういう理屈で向いているんだろう?
もしそうなら、内向型リーダーの強みは何だろう?
こういった疑問に応えます。
こんにちは。
僕は生粋の内向型で、内向型を自覚する前は10年ほどサラリーマンをしていました。
サラリーマン時代はこんな僕でもリーダー的なポジションに付くまでは出世し、チームを上手く回すことができていました。
サラリーマン時代に感じていた違和感、それは外向型のリーダーシップでした。
外向型のリーダーは従来型の考え「元気、先頭に立つ、ポジティブ、即断即決」であり、トップダウンの指示になりがちです。
自分にはとてもできる気はしませんでした。
しかし近年、リーダーは部下に傾聴し信頼を得ることで、部下が能動的で高い生産性を発揮すると言われています。僕も身をもって体験してきました。
僕の経験も踏まえて「新時代に求められるリーダー像」を解説します。
成熟社会では内向型のリーダーの方が向いています
成熟社会では内向型のリーダーの方が向いています。
大量生産大量消費が終焉を迎え、一つのアイディアだけで長期的に食べていける時代ではなくなりました。
これまで日本は大きい組織でトップダウンによって成り立ってきました。
これからはモノやサービスの開発をより多角化、多様化していかないと生き残れない時代になりました。
部下のアイディアを素直に取り入れることが大切になってきますが、そこで活躍できるのが内向型のリーダーです。
モノを作れば売れていた時代に日本は大きく成長しました。
車や家電、不動産など、「持つ」ことにステータスを持ったマインドがありました。
今はどうでしょう?
「若者の〇〇離れ」と嫌味を言われるのは、「持つ」ことの価値観に変化が起きたことの現れではないでしょうか?
僕も若者ではない30代半ばですが、20代の頃の「持つ」価値観がどんどん薄れています。
これは若者の価値観の変化ではなく世の中の価値観の変化です。
お金を使わないのではなく「合理的」に使うようになってきたと思います。
こんな時代に必要なのは多様なニーズに答えるコンテンツ、例えばYouTubeなんか成長著しいですよね。
様々なニーズに応えるために、内向的な性格で部下のアイディアを引き出せるリーダーが求められるようになってきています。
更には、近年個の能力が相対的に強くなってきている(団体の力が弱くなっている)ので、一人一人の能力を引き出す必要がありますが、内向型リーダーならそれを可能にします。
なぜなら個の力を最大化するためには、個がやりがいをもって能動的に動くこと大切で、そこへ導けるのは控えめで相手を信頼することを得意とする内向型の人であるからです。
外向型がリーダーとなるとリーダーらしいリーダーになろうとし、組織を引っ張ろうとします。
部下のアイディアより自分のアイディアの方が優れていると錯覚しやすいです。
すると部下はアイディア創出に力を入れなくなり、結果として個が弱くなってしまいます。
つまり外向型リーダーのチームは組織を強くしようとするあまり個が犠牲になり、結果として弱い組織となってしまいます。
僕の過去もそうでした。
指示は少ないけど控えめで話を聞いてくれる上司のときは仕事に対して積極的に取り組めたし、充実していました。
でも、さすがに巷には情報が溢れているので外向型のリーダーも当然個の力を最大化しなければいけないこと、部下のアイディアも取り入れないといけないこと、は分かっているはずですよね?
僕の推測では分かっていてもできない、それが外向型気質というものだと思います。
もちろん、逆に内向型が外向型気質なことをやろうと思うと失敗します。
これらの事象は僕の単なる妄想ではなく、実際に内向型リーダーの方が生産性が高いという実験結果が出ています。
ペンシルベニア大学の心理学者アダム・グラントは、『ORIGINALS』のなかで、内向的なリーダーは外向的なリーダーよりも、物事によい結果をもたらすことがあると述べている。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/byline/endotsukasa/20191129-00152815/
今の時代には内向型の方がリーダーに向いているということが分かって頂けたと思います。
内向型リーダーの強みは「聴く力」です
内向型のリーダーの強みは「聴く力」です。
人は理解されると心が強くなり、心を開きます。
人を理解するためにはとにかく話を聴くこと。
ただ聴くのではなく傾聴。傾聴しすぎることは無いというほど傾聴しまくりましょう。
「聴く」にはどのような力があるのか、全世界で3000万部以上売れているスティーブン・R・コヴィー博士の著書『7つの習慣』には次のように書かれています。
これができる人はそういないのだが、相手の身になって聴く、共感による傾聴である。
~(中略)~
共感して話を聴いているとき、あなたは相手の心理的な空気を送り込んでいる。心理的な生存のための欲求を満たしてあげることによって初めて、相手に影響を与え、問題の解決へと向かえるものである。
誰しも心理的な空気を必要としている。この大きな欲求こそが、人と人とのあらゆるコミュニケーションで大きな鍵を握っているのである。
引用元:スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』キングベアー出版
考えていることを引き出す、アイディアを創出しようと能動的に考える、部下をこのように変えることができるのは、生まれながらの気質で自然と傾聴ができる内向型のリーダーならではなのです。
よく自己啓発系ビジネス書に書かれている「部下の話を聞く方法」のような小手先のテクニックを身に付けようとしてはダメです。
そんなものはすぐに部下に見破られますし、最悪侮辱されたように考える人もいるかもしれません。
「相手の身になって聴く」これを是非実践してほしいです。
外向型のリーダーには難しいかもしれませんが、内向型のリーダーなら必ずできます。
内向型リーダーは外向型リーダーを目指してはいけない
内向型のあなたがリーダーになった場合、絶対に周りが期待するであろう「外向型リーダー」を目指さないでください。
内向型は外向型にはなり得ません。
これは生まれながらに備わった気質だからです。
内向型の人が外向型リーダー像を目指すと、上司と部下に挟まれ、心労が重なり、最悪病気になります。
ぐいぐい引っ張るリーダーが格好良いですか?上司からチームを引っ張れと言われていますか?違います、大切なのは成果を出すことです。
成果を出すには始めに述べたように、これからの時代はクリエイティブで多様なアイディアが求められるので部下の信頼を得たもの勝ちです。
チームを引っ張ろうとして上司の顔色を見ながら先頭で指揮なんて、そもそも得意でもないのに上手くいく訳がないです。
しつこいようですが絶対に外向型リーダーを目指さないでください。
まとめ
内向型の人は「聴く」ことが得意で、これからの時代を作るリーダーはより聴く力が必要になってきます。
まだまだ世の中には外向型の価値観で溢れていますが、そんなものに騙されないでください。
ではまた!