投資初心者ではないけど、もちろん玄人ではないし、中堅クラスというにはおこがましい…。そんな投資経験が『下の上~中の下』の方に向けた記事です。
FXをやっていると相場観がなんとなくついてきます。
「過去遡ってチャートを確認すると、米ドル円はだいたい100~110円ぐらいで推移しているなー」
「100円/USDだから米ドル安い!買いだ!」
といった錯覚を覚えます。
ずっと錯覚していましたが、これ間違いだって気づきました。
インフレ率を加味した実効為替レートで考えないといけなくて、20年ほど前に比べて、同じ110円/USDでも今現在の方が円安ドル高水準になっているということを理解しました。
今回はそのことについて簡潔に説明します。
日本とアメリカのインフレ率の違いと為替への影響
日本とアメリカのインフレ率
ところで日本はややデフレ気味がずっと続きますね。インフレ率は概ね±1%がここ25年ほど続いています。
引用:世界経済のネタ帳
インフレとは、モノの値段(価値)が上がることです。
これは通貨の価値が下がるのと同義です。逆(デフレ)も然り。
一方アメリカは概ね2%程度のインフレ率です。
引用:世界経済のネタ帳
画像を重ねてみると大きな違いが分かります。
インフレ率差があると、貨幣の相対的な価値が変化する
アメリカと日本では毎年2%、福利で差が開いていくので、最近の20年で考えてみると、1.02^10=149%ぐらいアメリカの方がインフレになっているということ。
言い換えると、ここ20年で日本が100の物価で変わらずだったのに、アメリカでは物価が150%になったということ。
更に言えば、『インフレでは貨幣の価値が下がる』と定義すれば、米ドルは対円に対して67%程度の価値になったということ。
ということは、USD/JPNが100円/USDがここ20年で67円/USDになって然るべきです。
でも実際は?そこまで円高になっていないです。
つまり、現状の100~110円/USDあたりのレンジ相場は、かなりの円安ドル高水準になっているのではないかと推測できます。
では実質の為替レートはというと、下図の黄緑の線です。
引用元:東洋経済
過去40年で現在が最も円安ドル高水準であることが分かります!
「日本は少子高齢化が加速するから国力が下がるし、円は弱くなっていくだろう~」
と安直に考えていると痛い目を見ます。
もちろん110円を超えて120円、130円になることも十分考えられますが、少なくとも、現在はここ40年で最も円安ドル高相場であることは頭に入れておきたいです。
値ごろ感ではなく、インフレ率も加味しよう
- アメリカは日本よりインフレ率が高いので、米ドルの価値は相対的に下がる傾向である。
- 現在の米ドル円相場は、歴史的な円安水準である。
- リーマンショックのような円買いが進めば、リーマンショックを超える水準まで米ドルが下落する可能性もある。
ではまた!