お金を増やす/守る

ドル円の先行きは?円高vsドル高

いつの時代も超円安論者、超円高論者がいます。

時折、経済評論家の立場の方がこのようなことを言い出し、記事が躍ることが多いです。

「超円高時代!50円を目指す!」
「今後日本は超円安!200円を目指す!」
「トランプ政権になったら超円高になる!」

今後ドル円は上がるのか?下がるのか?

リーマンショック前から投資を始め、景気の浮き沈みを経験してきた立場から見解を示します。

 

超円高も超円安も起こり得る

いつの時代も超円高、超円安を煽る人たちがいます。
その方々は「高確率でこうなる」と言ってきます。

リーマンショック後の長らく続いた円高時代、ドル円50円の世界が来るというフィクションを唱えている方が多くいました。
もしかしたら、ここ2~3年以内で投資を始めた方はそのことを知らないかもしれません。

世界がリーマンショックから回復し、日本でアベノミクスによる円安傾向が進むと、ドル円200円!などと言い出す先生方が増えました。

結果論ですが、これらの超円高/超円安論調は結局、センセーショナルな見出しを付けてポジショントークをしているようにしか見えません!

超円高も超円安も起こり得る可能性はあり、先のことなんて誰もわかりません。
長期的な道筋であるほど、あてにならないです。
これが僕が10年以上投資をかじってきて得た感想です。

しかし、分からないから放置していいわけではないです。

超円高、超円安になったときにどういう世界が待っているか、これを頭に入れておくことは非常に大切です。

超円高、超円安になったときの世界を知っておくことで、実際に起こったとき、市場の大きな変化を敏感に察知することができるようになり、素早く対応ができるようになります。

 

超円高の世界は景気後退になりやすい

円高なるとどのようなことが起こるのでしょうか。

円高になると輸出メーカーの売り上げが落ちてしまいます。

一方輸入金額は安くなるため、内需企業のコストは削減され、利益額が『一時的に』増加します。

外国から見た日本株は円高によって割高になるので、利益確定売りが起こりやすくなります。
日本株の外国人による売買高は約6割と言われており、円高が日本株に与える影響は非常に大きくなります。

内需企業も株価下落に伴う景気後退によって徐々に勢いを失い、日本全体が沈んでいくことになります。

相対的に日本人が金持ちになるので、海外旅行などが割安で行くことができます。

 

超円安の世界はバラ色?

実質実効為替レートを見ると、実は現在は超円安時代なのではないかという話があります。

アメリカを始めとした諸外国はインフレ(米ドルなどの価値が下落)している一方、日本はインフレ率がほぼゼロ(円の価値は変化ゼロ)です。
すると、20年前の1ドル100円と今の1ドル100円では全く価値が違ってきます。

詳しくは以下の記事で解説しています。

【円は割安?割高?】対アメリカドルの為替レートは同じ100円/$でも20年前と今では全く見え方が違う 投資初心者ではないけど、もちろん玄人ではないし、中堅クラスというにはおこがましい…。そんな投資経験が『下の上~中の下』の方に向け...

円安になれば株価が上がり、輸出企業の売り上げは高くなります。

一方で海外からの輸入に対しては高コストとなります。

特に多くを輸入に頼る『資源』のコストは大幅に増大し、企業利益を圧迫すること必至です。

そういう意味では急激な円安も簡単には容認できません。

海外旅行行くには海外物価が高く、燃油サーチャージも高くつくでしょう。

 

為替動向は分からない、準備だけしておこう

投資家YouTuberとして有名なバフェット〇郎氏も、2020年2月20日のブログで、ドル円160円を目指す!と暴論をおっしゃっていました。
有名な方が言っているからそうなるだろう、と思考を停止して乗っからないように注意したいですね!

円高と円安は一長一短で、どちらがいいとは一言では言えません。

更には一国だけではとてもコントロールできるようなものでもありません。

今後超円高時代が来るのか?超円安時代が来るのか?
考えてもわかるものではないので、準備だけでもしておきましょう!

準備とは、分散しておくことです。

日本円だけで資産を持っていると円安時にじり貧になります。

日本円の預金と日本株だけでなく、ドルやユーロ、海外株を保有して分散しておくが吉です。