内向型/HSS/HSP

書評『子どもの敏感さに困ったら読む本』【HSCとの関わり方】

子を持つ親
子を持つ親
うちの子、他の子と違って臆病だし気にしすぎたりするけど、HSCなのかな?
HSCかどうか確認したい。
もしHSCだと分かった場合、どんな風に子育てすればいいのか知りたい。

HSP:Highly Sensitive Person ひといちばい敏感な人
HSC:Highly Sensitive Child  ひといちばい敏感な子

こんにちは!

僕自信HSP&内向型で、もしかしたら自分の子どもも同じではないか、と子育てをする中で何度も感じました。
もし我が子がHSCなら、一般的に言われている子育て方法と我が子の子育て方法は少し違うものである可能性があります。

HSCに合った子育て方法を学んで、我が子が幸せに生きていけるように、親にできることは何なのか知るためにHSCに関する本を読もうと思い、この本を読みました。
選定理由はAmazonでHSCで検索してヒットし、比較的レビュー数が多かったので選択しました。

子どもの敏感さに困ったら読む本』というタイトルで、『児童精神科医が教えるHSCとの関わり方』というサブタイトルがついています。
著者は精神科医の長沼睦雄さんという方です。

ちなみに書いているご本人はHSPではないようですが、HSP・HSCに強い関心があるようです。

『子どもの敏感さに困ったら読む本』を読んだ感想

絵は少なく文字が多いので、人によっては読みにくさを感じるかもしれません。
その分、情報量が多いです。

書いてある事例(HSP/HSCあるある)を見て、改めて自分がHSPであることを認識できます。思い当たる節がありすぎる。
例えば褒められても喜ばない子の例が載っていました。僕もその節があり、褒められると嬉しさより照れくささよりモヤっとした感覚がありました。今でもあります。
この感覚が、次への期待に怯えた感覚、期待に応えないといけないプレッシャーであったことを始めて自分を理解しました。他人が怒られているのを見聞きすると自分が怒られているような感覚と怒られている人の辛い気持ちも相まって辛い気持ちになったりすることもあり、HSPではない人はそれほど思わないことに驚きました。

DOESのこと、HSSのことに関して記載がありました。

全体的に脳科学と発達障害に関する考察がなされていて、読んでいて難しさを感じました。発達障害に寄った内容が多いですね。

『子どもの敏感さに困ったら読む本』を読んでの結論

HSCは病気でも欠点でもなく、個性なんだということを強く意識させられる内容でした。
発達障害との境が難しく、誤解も受けやすいので、我が子がのびのび成長できるように親も努力していきたいです。

書評『子どもの敏感さに困ったら読む本』

読む前の期待と記載有無

子どもの敏感さに困ったら読む本』を読む前に期待した内容と、記載の有無を以下に示しました。

・自分の子がHSCかどうか判断できる情報が載っていること。(記載あり)
・HSCでも自己肯定感を高くする方法。(記載あり)
・HSCでも大丈夫と言ってほしい(子育てに不安があるので)。(記載なし)
・HSCの子育てで注意するべき方法。(記載あり)
・学校で上手くなじめなかったときの親の心持ちと子どもへの接し方。(やや記載あり)
・より良い人生を歩んでもらうために親がするべきこと。(記載あり)
・内向型に関する考え。(記載なし)

期待以上に情報があって良かったこと

子どもの敏感さに困ったら読む本』を読む前に期待していたこと以上に書かれた情報を一覧にしました。

・HSP・HSCという言葉は医学的ではなく心理学的・社会学的な、ひとつのものの見かたなだけであって、医療の現場で上手く用いられることが稀だし、今後もなかなか広まらないであろうとのことでした。

・脳科学的な説明が加えられ、よりHSCを深く理解できるし、発達障害についても言及されていて、広く知見得られるてよかったです。

・自閉症スペクトラムとHSCの最も大きな違いは共感力にあるとの記載ありです。

・習い事に関する言及がなされていることが良かったです。
集団競技よりは個人競技、例えばスキーやスケート、陸上、自転車、なわとび、跳び箱、鉄棒、マット運動、合気道や空手、柔道などを本の中で取り上げていました。水泳を習わせているけど、いいかも。文化系もいいけど、運動系は一つ続けていきたいところですね。

・苦手を克服するよりも、得意分野を伸ばした方がいいと頻繁に記載がありました。

・親から見て「いい子」であるHSCは我慢しているかもしれないので危険信号。育つ環境が何よりも大切である旨の記載がありました。内弁慶は外で吐けないストレスを家で吐いている、甘えているのだから、吐かせてやるべきとのこと。

・HSCは親の心配を感じ取って迎合して行動を決める場合があり、それは不健全。厳しい虐待と優しい虐待(過保護、過干渉)と表現しています。

・イギリスではディスクレシア(学習障害)の人は芸術的センスが大きいと認知されており、ディスクレシアと診断されることはおめでたいことだそうです。

特に良かった点

子どもの敏感さに困ったら読む本』を読んで、特に良かったと感じた点は以下です。

・『偏った脳ー脳は代償機能が働く』という脳機能に関する記述があり、参考になりました。簡単に言っちゃうと、脳のどこかが未発達な状態だと別の場所がより多く発達しバランスを保とうとする機能のこと。秀でた部分を伸ばす方が良いということ。=グッドライフモデル

敏感力(Vantage Sensitivity)として再定義したことを紹介しています。ネガティブなイメージが付きやすいHSCですが、言葉がポジティブだとイメージも変わります。
ホリエモンもADHDを多動力と言い換えてポジティブイメージチェンジを行ってADHDを肯定していますね。

・HSP/HSCの言葉の生みの親アーロン博士の言葉「世界は素敵に成長したHSPを必要としている」「慎重に考え、深く感じ、ささいなことに気付き、最終的には大局を見ることができる人材を、今ほど必要としている時代はありません。これからもっと必要となるでしょう。」

惜しかった点

概ね内容は良かったのですが、読んでいて気になった点が3つありましたので紹介します。

・『内向的』を「内気で引っ込み思案」「神経質」「小さなことを気にしすぎ」と言い換えていて、内向的≒内気と印象付けていますが、『内向的』は自分の内部に意識がいく様を表す表現であり、内気とは別ものだと思います。

・発達障害に関する記述が多いことと、専門用語が多いこと、これによって読みにくさが出てしまっています。

・本書では多くの事例が示されていますが、多くは暗くて苦しい話であるため、HSPの僕としては登場人物に共感してしまい、だんだん落ち込んできますね…。

まとめ

HSCは病気でも欠点でもなく、個性なんだということを強く意識させられる内容でした。
発達障害との境が難しく、誤解も受けやすいので、我が子がのびのび成長できるように親も努力していきたいです。

あと、HSCを「敏感すぎる子」という表現はやめて、「ひといちばい敏感な子」「敏感力」という表現を使い、ポジティブイメージを広めていきたいですね。

 

ではまた!

 

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